2010-01-01から1年間の記事一覧

この一年の最大の収穫

今年も間もなく終わり。色々あった一年だが最大の収穫は熊本マンガミュージアムが設立に向けて少しずつ動き出したことだ。キッカケは去年の古書即売会で「マンガと共に60年」という講演が文字になったこと。その本を読んだ近代文学館の館長が今年の夏に文学…

朝日新聞熊本版 視点@熊本 コラム最終稿(第10回)

●本文 2012年、北九州市に「漫画ミュージアム」がオープンする。この種類の博物館としては九州初となる。構想段階から関心を持ってみてきたが、同市で重ねられた議論は今後、同様の施設を作るときの参考になる。 注目したいのが、この施設の方向性に関す…

砂漠の中にぽつんとたたずむキララ文庫

店も開店してそろそろ4半世紀になる。開店当時に生まれた子供が漫画を読む年令になって店に通い始め、やがて漫画を卒業して社会に出て行く。しばらくして結婚し子供が来て今度はその子供が店に出入りする・・そんな時間が何度も繰り返しこの店では過ぎていっ…

第九回 原稿   変わり行く古本屋業界

熊本大学の近くでマンガ専門の古本屋を初めて間もなく4半世紀が過ぎようとしている。この間、マンガ業界にも古本屋業界にも様々なことがあった。古本屋によく足を運んだことがある人なら気がついていると思うが、最近は個人経営の古本屋がめっきり少なくなっ…

第8回 原稿  熊本マンガミュージアムプロジェクト

本業は漫画の古本屋だが、くまもと・市民オンブズマン代表として、行政の不正な公金支出などをチェックする活動も続けてきた。だが正直なところ、告発ばかりをやっていたのでは疲れてしまう。 そこで最近は、行政への提言活動も行っている。その一つが、漫画…

朝日新聞「声」投稿 テーマ「古本屋」 11月4日 朝日新聞九州版掲載

中学生の頃、「将来やりたい仕事は何なの」聞かれたことがある。「貸本屋さんか古本屋さん」と答えたときの母親の落ち込んだような顔を今でもよく思い出す。もともと体が弱かった私は絵本、文学全集、学習雑誌を好きなだけ買ってもらっていた。でも本当に読…

第7回記事

【本文】「漫画のデジタル化」 電子化でコンテンツの保存整理を 深刻な不況から抜け出すため、ある出版社がこんな構想を立てた。採算の取れない雑誌の廃刊▽ネット配信に特化した新雑誌の創刊▽漫画専用の電子端末を開発▽作品中にスポンサーの商品を登場させて…

日本マンガ学会 九州マンガ交流部会のご案内

日本マンガ学会 九州マンガ交流部会 第19回例会 日時: 11月13日(土) 14:00〜16:30 場所: 熊本大学 全学教育棟 E203教室(入場無料) (下記の「熊本大学 キャンパスマップ」黒髪北地区の17番の建物です。) http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou…

アニメ「ヤマト」のプロデューサー、海で転落死

思えばヤマトも色々ありました。初回放送の視聴率の低迷、劇場版上映をきっかけにして起きたヤマト現象、オールナイトニッポンを貸しきってのヤマト特集、アニメ雑誌アウト、アニメージュのヤマト特集、ブルーノアの失敗、ヤマトファイナルに対するファンの…

第6回 記事

昨夏の政権交代で残念だったのは、「国立メディア芸術総合センター」(アニメの殿堂)構想の頓挫だ。漫画やアニメなどの資料収集や展示、情報発信の場となる予定だったが、「ハコモノ事業」と批判され、中止になった。建物は なくてもいいが、漫画コンテンツ…

宇土貸本店、20年ぶりの訪問

今から20年前、阿蘇に2軒の貸本屋があった。店の名前は両方とも「宇土貸本店」、ご主人が宮地の店を、奥さんが内牧で店を切り盛りし、そこの売り上げで4人の子供を大学に通わせたというのだから大変な苦労があったに違いない。戦後間もなく開業。当時は娯楽…

第1回原稿 マンガが危ない

熊本市の鶴屋百貨店で毎年開かれてきた「古書籍即売展」の40周年に合わせ、昨秋、講演会を行った。題は「マンガと共に60年−戦後漫画私史」。漫画と育ち、漫画界の出来事をリアルタイムで経験し、還暦を過ぎてもその魔力から離れられない。自他ともに認め…

第五回 記事  大学とマンガ図書館

2001年、日本マンガ学会(事務局・京都市)が設立され、06年には京都精華大に日本初のマンガ学部ができた。これらの動きから、学問や研究という観点から漫画の収集・保存の必要性が指摘されるようになった。列挙すると、マンガは消滅の危機にある文化…

第四回 記事  漫画図書館の厳しい現実

「漫画の収集・保存なら国立の国会図書館がある。心配ないよ」。そんな言葉をよくかけられる。法律上は確かに、出版物の発行者は同館にすべて納本する義務がある。だが、みんなが決まりを守ってきたわけではない。蔵書数は日本一だが、戦後間もない頃の赤本…

第三回 記事 根強い偏見−漫画読むバカ・読まぬバカ」

本文「 根強い偏見−漫画読むバカ・読まぬバカ」 「子どもの頃に夢中だった漫画をまた読みたい」「あの物語の結末は」「研究対象として読み直したいので作品を探して」。私のもとには漫画に関する色んな依頼が飛び込んでくる。 自称「古本漫画探偵」としては…

講演会「ゲゲゲのマンガ道」は今ひとつ

10月10日、鶴屋デパート東館6階で開催された古書展で私の講演会があった。去年も講演会をしたがその時のテーマは「マンガと共に60年ー戦後漫画私史」で参加者は16名だったが結構盛り上がった。今年のテーマは「ゲゲゲのマンガ道」。同様の内容で近代文学館で…

第二回 「ゲゲゲの危機/原本希少化、価格高騰で問題も」

「ゲゲゲの危機/原本希少化、価格高騰で問題も」 この半年は水木しげる一色だった。理由はもちろん、水木夫妻を描いたNHKドラマ「ゲゲゲの女房」。水木マンガと共に生きてきた私はとりこになり、すべて録画して1日最低2回は見て、関連書籍もそろえた。…

マンガが危ない!連載第1回 2010.10,02

熊本市の鶴屋百貨店で毎年開かれてきた「古書籍即売展」の40周年に合わせ、昨秋、講演会をした。題は「マンガと共に六十年戦後漫画私史」。漫画と育ち、漫画界の出来事をリアルタイムで経験し、還暦を過ぎてもその魔力から離れられない。自他ともに認め…

熊本マンガミュージアムプロジェクト会議

近代文学館での「ゲゲゲのマンガ展」に参加してくれたマンガ好きのメンバーで熊本マンガミュージアムプロジェクトが立ち上がった。参加者は近代文学館館長、同館スタッフ、県庁秘書課、県地域事務所員、熊大教員、ワンピースパーク設立委員会、県産業技術セ…

マンガ三昧の今年の夏!

今年の夏はこれまでにないほど充実した夏だった。 まず7月31日から8月の2日まで山口県の周防大島で期間限定のマンガ図書館に参加。ここで元石森章太郎のアシスタントだった平賀稔さん、北九州のあずまんが代表の伊藤さん、石森ファンクラブの千鳥さん、それ…

水木展5日目。客足が一向に衰えない

水木展5日目。客足が一向に衰えない。NHKのニュースが九州ネットで流されたおかげで、福岡、宮崎からの来館者があり、遠くは東京、沖縄から来た人もいた。会場での説明会、講演会の時にはスペースが足らないほどで、駐車場はパンク寸前、警備の人も文学館の…

熊本近代文学館のHPより企画展の案内文

熊本近代文学館のHPに載せられている案内が間もなく消えるのでコピペしておきます。熊本近代文学館企画展 戦後マンガ文化をささえた貸本屋 〜マンガ家水木しげるの時代〜 1 主催 熊本近代文学館2 期間 平成22年8月25日(水)〜平成22年9月2日(木…

貸本屋の世界を楽しむ企画展(RKKのニュースから)

水木展のテレビニュースヲ紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー貸本屋の世界を楽しむ企画展 (熊本放送 2010年8月25日 )漫画家水木しげるをはじめ戦後マンガ文化を支えた貸本屋の世界をたのしむ企画展が熊本近代文学館ではじまりました。 …

水木しげる展オープン

水木しげる展は本日8月25日にオープン。開会と同時に講演会が始まった。テーマは「貸本屋と貸本漫画は戦後漫画史の原点」。 http://www.library.pref.kumamoto.jp/ 参加者は約40名、私と同じ団塊世代がほとんで、貸本屋体験を共有する人が多く、余計な説明が…

熊本県立近代文学館で水木貸本漫画の講演会・展示会

突然降って沸いたような話が飛び込んでくる。とにかく時間がない。とりあえずということで書き上げた企画書を紹介する。(まだ最終確定ではありません)テーマ 「戦後漫画文化をささえた貸本屋と漫画家水木しげるの時代」 期間:9月25日〜9月2日 場所:県立…

8月の予定目白押し!キララ開店休業か

随分長い間ブログが書けなかった。夏の講習会もひと段落したのでこれまでの近況報告をすこし。 7月末から8月2日まで瀬戸内海の周防大島に出かけてきた、そこで行われたマンガの「漫画にふれよう」・「漫画を描こう」というかっ地コピーで開かれたのんた大島☆…

地元紙の記事紹介

トモさんの読みながら書く=日本の漫画文化は衰退期? 2010.05.26 夕刊 夕読 (全890字) 熊本市黒髪6丁目に「キララ文庫」という漫画専門の古本屋があり、そこの主人、橋本博氏は小学校からずっと一度も漫画を手放さずに、もうとにかく集めることに命をかけ…

「マンガと共に60年―戦後漫画私論」講演録完成

去年の11月に鶴屋デパートであった「熊本県古書籍即売会40周年記念講演会」の講演録がこのほど完成した。 そうたる講演者の中に紛れ込んで漫画の話をしたのだが、改めて読み返してみると赤面しそうなことばかり喋っていたようだ。ところが世の中はわからな…

日本マンガ学会九州マンガ交流部会 第17回例会のお知らせ

ギリギリのお知らせで申し訳ありませんが。下記のとおりマンガ学会を熊本で行いますのでお時間のある方は是非ご参加下さい。 当日は山野さんののマンガ、私の講演録{マンガと共に60年}も販売いたします。滅多に聞けないマンガ家によるまんが業界の裏話が聞…

サンデー・マガジン50周年記念グッズの悲惨な末路

昨年はサンデー・マガジン50周年を記念して様々なグッズが発売された。なかでもセブンイレブン限定の商品は、その数、アイデア、デザインともによく出来ていたのでイベント中は市内のコンビニを毎日のように回って、グッズを集めたものだ。 そこで今回のデ…