「森崎書店の日々」感想

待ちに待った映画「森崎書店の日々」を見に行く。
画面にあふれる古本屋の日常、ゆったりとした時の流れ、忙しさ流されてこんな時間を持つことをすっかり忘れていた。
いままで一度も古本屋に行ったことがない主人公がうらやましい。待っているのはこれまで出合ったことがない本ばかり。自分はもうたくさんの本を見てきたし、古本屋にも随分通ったのでこれから出会える本はもうあんまり残っていないような気がするのだ。
それから初めて自分が値付けした本が「どうか売れますように・・」と祈るように本棚に納めるシーンがあった。今ではもうすっかり流れ作業になってしまった本の値付けだが、昔は確かにあんなに真剣に本と取り組んでいたっけなあ。

最後のところで「古本屋は価値のある本を売ることではなく、価値を自分で作り出すことが一番楽しい」と言っていた。全くそのとおりと思う。これからの古本屋つくりに大いに刺激となった映画だった。やっぱり映画っていいモンですねえ!

下記参照
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD17119/

被災地に音楽を届けるコーディネーターを探して!

予備校の同僚の知り合いの音楽家に日本フィルのメンバーがいます。今回の大震災の被災者の人たちに、演奏活動を通して被災地の人たちに元気を取り戻して欲しいと考えてこんな活動をしてきました。
http://d.hatena.ne.jp/japanphilblog/20110407/1302167163
この活動は色んな人たちの協力で実現したのですが。今後もさらに現地の力にはなりたいのだけれども、その手立てがわからずに困っているということです。

以下、河合塾の同僚、藤川氏からのメールです。

日本フィルハーモニー交響楽団から協力依頼が届きました。
正直、このオーケストラはスポンサーも持たず苦しい財政です。
何時、解散しても不思議ではありません。

それを越えて今、音楽家の魂が、被災地に音を届けようとされています。
本当に、もし可能であれば、わずかでも構いません。ご支援いただければ
幸いです。ガソリン代の捻出です。
詳細が決まりましたら、改めてお願いするかと思います。
よろしくお願いいたします。

(以下、先日の福島県浪江町の避難所での演奏レポートです。)
「人々は、自分の住んでいた街の惨状を見ることもできず、山の中の施設に
とじこもめられています。車の無い人はどこにもいけません。避難所のなかは、
しめった淀んだ空気でした。
個人的な感覚からいえば、食べ物は足りている、温かいものが配られてるか
どうかわかりません。
必要なのは「気分転換」、お風呂と娯楽?と思いました。お祭りとか、お花見
とか絶対必要です。
演奏を聞きにこられた人々も、「たいくつでやることがなくて・・・」おっしゃて
ました。
「被災地に音楽を」で大切なことは、みなさんの生活空間のなかでの演奏は
さけた方がいい。今回の玄関先のような足を運んでこられる空間がいいとい
うことです。つまり「聞きたい人だけ」がこられるところ。
モノは「みんなが平等に」と、自治体の人も分配に気を使いますが、音楽には
その心配がいらないということがわかりました。」

藤川寿彦

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思うに、今彼らが求めているのは現地に入って演奏による支援ができるよう、次のようなコーディネイトしてくれる人です。
1、受け入れの被災地の方々で演奏による支援を希望している人たちを探す。
2、現地の地理が普段とは異なるので、その場所に誘導してくれる。
3、可能であれば同一日に複数の避難所で演奏できるよう調整する。
4、その他日程の調整など

こういったコーディネートをしてもらえる人はいませんか。この文章はドンドン転載してもらっても構いません。

是非力を貸してください。

ガンバレ!若者達、マンガはまたこれからドンドン届けるよ!

東日本大震災の被災者に私たちマンガミュージアムプロジェクトとして何かできないかとこの間ずっと考えてきた。もう少し現地が落ち着いてきたら、マンガを満載した「移動マンガ配給車」を手配して現地に赴くことも考えている。プロジェクトに関わっている自治体が現地との折衝をして、必要な機材も用意してくれそうなので、ミュージアムとしてはとにかく本を集めることに集中してチャンスを待つ計画だ。
ところで原発関連の避難所から相馬市の高校生が10人熊本にやってきた。熊本からボランティアとして福島入りしていた若者が連れてきた高校生は、予想に反してとても明るく、元気にあふれていた。
地震津波災害に被災したうえに、原発事故のせいでで長引く避難生活、身も心もボロボロになっているお年寄りや親たち。そんな彼らが元気と笑顔を取り戻すために必要なものを求めて高校生達は各地に散っていった。そんな高校生のミッションをサポートしようと、熊本では大量のマンガ、DVD、CD、ゲームなどをもって帰ってもらうことにしたのだ。
お年寄りには静かな曲がいいだろうということで、予備校の同僚が日本フィルのCDを中心に自分の大切なコレクションをすぐに送ってくれた。指揮者の小林健一郎氏もいわき市の出身だということで、日本フィルの演奏が避難所でCD演奏されても著作権がラミで問題になることがない様手配してくれたそうだ。
キララ文庫からも元気が出てくる漫画本のセットをあるだけ提供、そのほかワンピースやバガボンド、映画のDVDも集まった。これらはまたボランティアの手で現地に運ばれ、各避難所の間をぐるぐる回されることになっている。
アニメでルフィの声をやっている声優の田中真弓さんも高校生を直接電話で励ましてくれていた。温泉にも入って元気を取り戻した高校生達は再び避難所生活に戻る。彼らのミッションに私たちは少しは応えることができただろうか。

ガンバレ!若者達、マンガはまたこれからドンドン届けるよ!

ドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー」を観る

ドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー」を観る
この映画は、アメリカの国立美術館“ナショナルギャラリー“に2000点あまりのアート作品を寄付して話題となったヴォーゲル夫妻の軌跡を追ったドキュメンタリー。慎ましい生活の中から、30年以上に渡って作品を収集してきた夫妻。ふたりのアートに対する真摯な思いと日常を、日本人のジャーナリスト・佐々木芽生監督が捉えた心温まる1作だ。
http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_20633/

この2人がポリシーとしているのは次のような点だ。
タクシーや地下鉄を利用するので手に持てるものしか買わない、相場や世間での評価は一切気にせず、自分がいいと思ったものだけ買う、気に入ったアーテイストの全作品を見た上で数点だけ買う、給料生活者なのでできるだけ安く、場合によってはただで手に入れる、買ったものは売らない、手放す時はまとめてミュージアムに寄贈する、アーティストが無名の頃から寄り添うようにサポートし、成功すればわがことのように喜ぶ、アートだけでなく動物や自然もこよなく愛する。2人の審美眼をうまく働かせてバランスよくコレクションを増やしていく、買ったものは家の中に積み上げるだけで特に貴重品扱いはしない、コレクションの両が膨大になりすぎたので目録などは作らない、2人の名前が売れてきたからといって決して偉ぶらず、庶民の目線を失わない・・

この映画を観てまず思い出すのは、NHK熊本につとめながら浮世絵、人形など美術工芸品の膨大なコレクションを残し、死後は熊本県立武術館に寄贈された今西菊松さんのことだ。この映画の夫婦と今西さんの間にはあまりにも共通点が多い。映画を作ったのは日本人の監督だそうだから今西さんのことが頭にあったのかも知れない。

次に思い浮かんだのがガロ編集長の長井勝一さん。長井さんは自分がこれはいいと思ったマンガはそれが世間から全く評価されていなくても徹底的に支え続けてきた。自分のことよりも無名の漫画家たちにチャンスを与え続け、それがいつしかマンガ界を支える人材に育っていくことを何よりも楽しみにしていた。自分の目を信じること、映画の夫妻にも通じるところだろう。


そしてこの映画は自分の生き方煮も重なって感じられた。マンガをただひたすら好きだから集め続け、市場から高い値段で買わずにできるだけ安く、場合によってはタダで手に入れ、コレクションを切り売りせずにできるだけまとめて保存し、そして今ではどこかのミュージアムに寄贈することを考えている。自分が映画の2人ほど高名で審美眼があるともっているわけではない。ただ映画のテーマとして掲げられた「金がものを言うようになった時、芸術は死滅する」という言葉が胸に迫る。お金はなくても、作品を愛し続けるだけで人は何事かをなし得るのだという思いが伝わってきた。この2人の足跡は、今後の自分の人生もに大きな影響を与えてくれたようだ。

熊本県マンガミュージアム化構想

ちょっと空き時間ができたので、熊本をマンガミュージアムで繋ぐ構想を考えてみた。
これまでは各地域にマンガ関連施設が点で存在しているところが多く、どうしても地域全体への広がりが見られなかった。そこで熊本県内にいくつかの拠点設置し、点を繋げて面として県全域をマンガミュージアム化する「熊本県域マンガミュージアム化プロジェクト」を提言する。

1.新規の拠点つくり
熊本市・・辛島公園か動植物園内に「ルフィー公園」を開設。その中に最近のマンガ、アニメ,グッズの展示を中心としたマンガミュージアムを設置。ジャンプフェスタの際に開設されるマンガ美術館のようなイメージ。
http://www.grand12.com/

天草市上天草市宇城市宇土市・・三角線と天草宝島ラインを結ぶ中間地点にある「三角港の海のピラミッドに「海のマンガミュージアム」を開設。車両にはルフィーなどのキャラを描き、海賊船仕立ての遊覧船も就航。
http://www4.ocn.ne.jp/~y-kikai/action/action2011_sp3.html


阿蘇市、南阿蘇村、西原村・・集英社が進める植林計画「ナルトの森」構想にに参加。「忍者がとびかう阿蘇の森」を自分達の手で育てていきながら、子供たちに第一次産業への関心を持たせる
http://www.shonenjump.com/j/naruto_forest/index.html

合志市・・鄯)カントリーパーク内に「食農漫画館」を開設 食と農に関するマンガを集め、マンガに出てきた料理の実演、食育、食文化に関する講演会実施。現在カントリーパークで実行中の食農塾の事業に追加。
http://www.country-park.jp/cgi-bin/index.cgi

鄱)合志市の施設(西合志町庁舎、農業大学校寮、廃校校舎など)に「日本一のマンガアーカイブ」開設。懐かしい漫画から最近のマンガ、アニメ、グッズなどを揃える。目標50万点。
鄴)市営住宅、農業公社、地元農家、JAと提携して「新トキワ荘」を設置。漫画家、アニメーター、ゲーム作家をを目指す若者に住まいと仕事(農業)を提供して、研修期間をバックアップ。作家、編集者、出版社、行政などの指導もある。イメージは東京で展開中のトキワ荘プロジェクト。
http://www.youtube.com/watch?v=-NBeFd7ZgSM

鄽)カントリーパークを拠点とした「アニメフェスタ」を定期的に開催 人気アニメ声優を呼んでトークショー、コンサート、アニソン、コスプレ大会
http://onepiece.otemo-yan.net/e357070.html
http://onepiece.otemo-yan.net/e438960.html

2、既存施設との連携
①高森のフォークスクール・・廃校になった小学校、その近くにあった畜舎、農具倉庫、養蚕場などをリニューアルしたフォークスクールにマンガに部門を併設して「山のマンガミュージアム」を開設
http://asofolkschool.eco.to/npo/top.html

菊陽町図書館・・少女マンガ雑誌の在庫分を寄贈して内容を充実させ少女雑誌部門はここに特化。http://www.kikuyo-lib.jp/hp/08_menu.htm

③湯前まんが美術館・・那須良輔の資料を生かしながら新聞マンガ、ひとコマ漫画部門のの資料を増やして日本で唯一の拠点とする
http://www.town.yunomae.lg.jp/index.php?articleid=1166&categoryid=32&mode=articleView&type=article
新聞マンガ研究所とのタイアップをはかる。
http://www.shinbun-manga.com/

3、ミュージアムの機能
①マンガ、アニメ、ゲーム(MAG)の資料の収集・保存
参考 京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.jp/②コンテンツ文化の拠点つくり

③地域おこしにマンガの力を活用
参考コミックいわて
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?cd=29541
農業ゲームで町おこし
http://www.g-renda.com/news_DYczre1Iv.html

④教育・・若者の臣期就農支援、引きこもり若者の居場所を提供
企業の農業体験サポート
http://mintaba.jp/

⑤高齢者対策・・元気な高齢者達の寄り合い場所の提供
⑥コミックセラピー(マンガによる心理療法)の素材提供
⑦観光スポット、パワースポット、聖地巡礼スポット
⑧マンガシンクタンクノン拠点つくり
⑨熊本を中心としたグローバル戦略(グローカル

マンガ関連のロードマップ

予備校業務がひと段落したのも束の間、今年度はやたらと日程が詰まってきた。
今後のマンガ関連のロードマップは次のようになっているが、果たしてどこまでやれるもやら。

NPO法人「熊本マンガミュージアム」を7月までに立ち上げ
合志市のカントリーパークに食農漫画館を5月までに立ち上げ
熊本県天草市上天草市宇城市宇土市、JR.グランド12を巻き込んだ熊本ワンピースプロジェクト発足
④熊本の大学で始まる「マンガ講座」の準備(全13回) 
熊本市内の高校で4月から行われるマンガを利用した小論文の授業準備
石森章太郎のアシスタントだった平賀さん、先ごろ亡くなったあすなひろしの原画展を熊本で開催
日本マンガ学会九州交流部会の5月例会を熊本大学で開催
⑧自宅、倉庫にあるマンガ、雑誌のうちダンボール800箱を整理の上、新しい収納地に移転
NPOニュースで連載記事執筆

最近の動きメモ

最近の動きを忘れないようにまとめてアップ
①「くまもとマンガミュージアムに取り組む古本屋亭主」
1回目 NHK熊本2011年2月16日夕方6時熊本のニュース「クマロク」
2回目 NHK九州ネット「おはよう九州」2月17日午前7時50分
・キララ文庫を拠点として立ちあげた「熊本マンガミュージアムプロジェクト」の動きを追った5分程のドキュメンタリー番組がオンエア NHK熊本ディレクター水上琢氏(新人)の作成
・登場人物・場所・・橋本インタビュー、キララ文庫店内・倉庫、近代文学館貸本漫画展、合志市市長、ミュージアム会議(鈴木、松江、濱田各氏の発言)
②北九州マンガミュージアム企画「松本零士 宮本大人トークショー」に参加 2月17日北九州美術館
松本氏の「銀河鉄道999」登場人物作画の実況中継が見もの その他山口、新潟を初めとする各地の漫画ミュージアム設立のの動きに関する情報ゲット

③第五回熊本マンガミュージアムプロジェクト会議 2月27日午後1時半 合志市カントリーパーク管理事務室
「マンガ・アニメを使った町おこしに取り組む合志市の活動」報告:合志市まちづくり戦略室室長